妊娠を経験して感じたこと

私は大学卒業後、病院薬剤師として働いており、病院薬剤師を選んだ一番の理由は、注射や抗がん剤など、病院でしか学べないものがあると感じたからです。

実際に働いてみて、病棟、調剤、無菌調製、製剤、抗がん剤調製など、幅広い業務があり、薬の世界は奥が深く毎日新しいことに出会えてとてもやりがいを感じていました。
また、私がいた職場は、休み時間にはグループなどに別れることもなく、休憩が重なった人たちで集まってわいわい食事しながら話したりして、雰囲気もよく、人間関係でも特にストレスを感じることもありませんでした。

働いて2年ほどたった頃に学生の頃から付き合っていた彼氏にプロポーズされ、結婚が決まりました。それから1年後に挙式、しばらくして妊娠し、出産というプライベートでもたくさんの変化がありました。そして、結婚後の住まいが職場から遠かったこともあり、出産を機に退職しました。

私がこれらのイベントを乗り越えることができたのは、職場の方々に協力いただいたおかげです。中でも妊娠中はつわりで出勤できない日があったり、抗がん剤の調製をはずしてもらったり、座ってできる業務を優先的にまわしてもらったりと、いろんな配慮をしてもらいました。

病院薬剤師の仕事の中でも、抗がん剤調製は妊娠を考えている女性にとっては気が進まない仕事のひとつだと思います。
私も妊娠した当時、ちょうど抗がん剤調製に入ることが多かったので、胎児に影響がないかすごく心配でした。
妊娠発覚後もしばらくは入っていたのですが、上司に妊娠を伝えるとすぐにシフトを代えてもらえたので、もっと早く話せばよかったと後悔しました。

抗がん剤の調製は、調製者に暴露しないように、最善の注意が払われていますし、今までに調製者の胎児に催奇形性がみつかったなどという報告は無いようですが、いざ自分が妊娠すると万が一のことがあってはととても心配でした。

人数にも限りがありますし、薬剤師は女性が多いですし、私の環境がめぐまれていたことも感じていますが、私は妊娠を経験して、さらに欲を言えば催奇形性は妊娠初期に多いため、妊娠を考えている時点で抗がん剤調製をはずしてもらえる職場が理想だなと思いました。